キャリアの転機を支える。多様な個性に寄り添い、カラダのプロ「整体師」の成長をサポートする本門 攻樹さん

今回のKA・RA・DA magは、ファクトリージャパングループ（以下FJG）教育部に所属しながら、一般社団法人 国際ホリスティックセラピー協会（以下IHTA）認定講師としても活躍する本門攻樹さんにインタビューを実施しました。

FJG教育部では、主に中途入社スタッフの研修を担当しており、会社のカルチャーから店舗に立つための整体技術までを一手に指導しています。 さらに、ホリスティック医学の普及とセラピー業界の発展を通して人々の健康増進に貢献することを目的としているIHTAでは整体師向けに専門的な技術セミナーを行うほか、施術経験がない一般の方に向けた「つかえる整体 初級講座」の講師としても活動しています。

多忙な日々の中で教育部出身だからこそ芽生えた「育成者としてのやりがい」を強く感じているという本門さん。

今回の特別インタビューで、彼が整体師の道を選んだきっかけや、長年この仕事に懸ける熱い想い、そして育成者としての揺るぎない信念について深掘りします。

「学生時代カラダのケアをしておけば、まだ違ったのかな」 そんな想いから“カラダにまつわる仕事”を求め整体師へ

本門さんのキャリアの原点は、幼少期から大学時代までのスポーツ経験にあります。小学校から高校までの10年間は野球に打ち込み、ポジションは色々経験しましたが外野（レフト）を守ることが多かったです。大学は現代人間学部で、ラグビー部に所属しポジションはスタンドオフでした。

当時は、身体をあまり労わらずに酷使していたため、足の捻挫や顔の骨を骨折するなど大きな負荷をかけてしまっていました。 その経験から「スポーツを楽しむ方をサポートしたい」「カラダにまつわる職業をしたい」という想いが芽生えました。

大学卒業後のキャリアを模索していた際、同じ大学の先輩がFJGに在籍していることを知り、先輩から話を聞いてみたのがきっかけで、整体師の道を歩むことを決めました。

言葉以外でのコミュニケーション。 施術を通してお客様の生活にも良い変化を。

店舗勤務時代に最も強く記憶に残っているお客様は、フットコースの施術を受けに娘さんと一緒に来店された80代女性の方です。 外出の機会が少なく、歩く機会も少なかったため、足まわりが気になってご来店されたとのことです。

そのお客様は病気の後遺症で話すことが難しい方でした。 最初は言葉以外でのコミュニケーションの壁を感じ、「力加減は大丈夫かな」「つらい体勢ではないか」など、ご満足いただけているか不安になりながら施術をしました。同行された娘さんの助けも借りながら、表情や反応、ジェスチャーを通して、言葉以外のコミュニケーションを丁寧に取りながら施術を行いました。

その結果、気になっていた足まわりがスッキリし、大変ご満足いただけました。その後も定期的にご来店いただき、「来店日を楽しみにしている」ことや、以前はなかった「外出する習慣ができたので良かった」などのお言葉をいただけました。

お客様一人ひとりに合わせたサービスを突き詰めたことで、生活に良い変化をもたらせた経験が、施術家としての自信につながりました。

スポーツ経験で培ったチームプレー精神から 芽生えた「育成者（指導者）」としての信念。

店舗で店長やマネージャーを経験するうち、キャリア観に変化が訪れました。 それは、自分が「施術家として活躍することよりも、自分の後輩が何か成果や結果を残すことに仕事のやりがいを感じている」という気づきでした。これは長年のスポーツ経験で培われたチームプレーの精神から芽生えた気持ちだと思いますが、これが私のキャリアの分岐点となりました。

その後、入社10年目で、教育部へと異動、現在は中途入社スタッフの研修を担当。年齢やキャリアが異なる多様なスタッフの育成・技術指導をしています。

「今の私にとってスタッフはお客様」 多様な個性を輝かせ“カラダのプロ”を育てる技術指導を意識。

中途入社スタッフは、過去の社会経験から様々な価値観を持って入社されるので、スタッフ一人ひとりに合わせた技術指導を徹底しています。

技術指導では「体感」を重要視しており、言葉だけではなく、正しい動作を経験した後にあえて間違った動作を経験してもらうなど「体感」を大事にしています。 また、チーム形成や価値観形成の時間を設け、スタッフの個性や心境に寄り添うことを意識しています。

また、研修にハードルを感じているスタッフに対しては、マンツーマンでじっくり話す時間を設け、悩みに寄り添い長期的な育成を意識しています。そして、その人の「個性を活かした」可能性を見つけ、「輝ける環境」を作ることを目指していきたいと思っています。

現場（カラダファクトリー 上大岡西店）で施術を続けること以外にも、整体師として活躍の場を広げたい。

整体師のキャリアアップとしてよく言われるのが独立開業。 ですが、今の私はそんな気持ちは一切なく、多くの方と関わりながら整体師としてキャリアアップしたいと考えております。

また私は育成・技術指導の仕事にやりがいを感じているので、整体師の方にはもちろん、一般の方にも整体技術を広げることで、社会に貢献していきたいと考えていますその想いから、IHTAでの講師活動もスタートすることにしました。

IHTA認定講師としての活動では、整体師向けに専門性が高い講座を実施しているほか、一般の方向けに「つかえる整体 初級講座」を始めました。 この講座は、整体や身体の知識が全くない方でも、整体技術を用いてご自身やご家族をケアできるスキルを身につけていただく内容になっています。
（つかえる整体 初級講座： https://ihta.or.jp/lp/seitai01/ ）

カラダファクトリーでは基本的に拇指圧（親指）で施術をしますが、指を使った施術は自身の身体への負荷が高くなるとも言われています。そのため一般の方向けに「つかえる整体」では比較的ライトにできる施術、例えば手のひらを使う手技などをお伝えしています。

今後もこのような講師活動を通して整体師としてのキャリアアップを目指しつつ、培った経験を基に、多くの方の健康増進に貢献できるような活動を続けていきたいと考えています。