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前職はアクションスポーツ業界。整体師を選択した理由。ゼネラルマネージャーの安村大さん

ファクトリージャパングループ(以下、FJG)で働く整体師には、中途入社で他業種からの転職メンバーも多数います。営業職、事務職、接客、インストラクターなど経験職種は多種多様。
そんな中途入社メンバーのひとり、ゼネラルマネージャーの安村大さんは、異色の業界から転職し、現在カラダファクトリーの47店舗を統括しています。 安村さんは、サッカーひとすじの少年時代を経て、高等学校を卒業したあとすぐに就職。スポーツ愛を抱えながら、数年経過したあと「好きなスポーツの仕事をやりたい」とアクションスポーツ業界に飛び込みます。
これまでスポーツが大好きで、「好きなことを仕事にしてきた」というほど充実していた業界から、なぜ整体師職へ転身したのか、様々な経験を経て、今どういう想いでスタッフたちと向き合っているか。そのヒストリーに迫ります。

アクションスポーツ業界で15年ほど、スノーボード、サーフィン、スケートボードなどに関わってきました。

神奈川県川崎市出身です。
小さな頃から元気が有り余っていて、学校の通信簿では常に「元気は良いが、落ち着きがない」と書かれているような子供でした。
学生時代はサッカーひとすじ。
高校は、学校推薦でサッカーの強豪校に進学し、主将も務めました。ずっとサッカーしかしてこなかったし、プロを目指していましたが、度重なる怪我があり、さらに膝の半月板を故障。そこで心が折れてしまって。
サッカーしかやってこなかったので、進学してやりたいことも見つからず。それならすぐに働いて、自分でやりたいことをやりたいと思い、卒業後はすぐに就職。プラスチック工場のある会社に5年ほど勤めました。

スポーツは続けていて、サーフィンにチャレンジしたり、新入社員時代も、社会人のサッカーチームでプレーしていました。それでも入社して5年くらい働いていると、「好きなスポーツの世界で仕事をしたい」と思うようになり、20代前半にアクションスポーツ業界に飛び込むことになりました。
その後の約15年間で、数社経験。シューズや板などのギア(スポーツ用品)や、アパレル(ファッション)商材を販売するショップでキャリアを積みました。その中では、販売やバイヤー(商品の買付)、ショップ運営の傍ら、スポーツアスリートのスポンサー仲介や顧客のツアーアテンドなど、幅広い仕事に携わってきました。

  • アクションスポーツ業界とは、サーフィン、スノーボーディング、スケートボーディングなどのストリートカルチャーのシーンに代表されるスポーツに関わる小売業界のこと。

―我々の役割は、「売る」のではなくて、お客様に「正確な情報をお伝えする」こと

(写真:サーフィン、前職のアクションスポーツショップで同僚と)

スノーボードでは、お客様の競技スタイル、体格などに合わせて、ギア(スポーツ用品、ボードなど)をチョイスする。商品の特徴的な形状や機能といった情報を正確にお伝えすること。それが我々ショップの仕事です。使ってみるか、買うか、その商品価値を判断するのはお客様です。そこで、使っていただいて「よかったです」「ありがとう」と声をかけてもらえるとやっぱり嬉しい。接客に対する気持ちは今もずっと続いています。
アクションスポーツの仕事は本当に充実していて、面白かったです。
ただ、流行りのスポーツで、シーズンスポーツでもあるので、大きな世界大会の前後は盛り上がって競技人口も増えるし、その後は縮小する時期が来る。そんなとき、自分自身に技術があるわけではないという想いで不安になることもありましたね。
15年くらい同じ業界で仕事をしてきましたが、30代半ばを過ぎ、ちょうど両親が体調を崩してしまったことを契機に、一回リセットして今後の生き方を考えようと思い至りました。
人間は身体が資本で、日ごろのメンテナンスがどれだけ大切か、今はわかりますが、若いころは頑張ればどうにかなると思っていたのですね。
思い返せば、学生時代から無我夢中でスポーツをしてきた。身体の故障も多く、スポーツメディカルには小学生の時から通っていましたし、サッカーでは半月板を故障したり、前十字靭帯断裂をしたり、足首の重い怪我をしたり・・・。20代のころは椎間板ヘルニアになり、脚が思うように動けなくて半年程つらい思いをしたこともありました。
そこで、これから「手に技術を持つ」と決意しました。決めてからは、早かったですね。色々な専門学校や資格を調べて。カラダファクトリー(FJG)なら研修制度があるし、技術を習える。働いてお給料をもらえて技術を覚えられるというのは魅力だと感じて、入社を決めました。

FJGは、同じ仕事をするとしても、その過程を大事にする。

入社してみて、これは面白い会社だと思いましたね。技術は研修でゼロから教えていただけるし、お客様と接する整体師という仕事が楽しいだけでなく、若手が活躍していて、会議でも熱意が伝わってくる。仕事であると同時に、「想い」がある。
お客様に接する仕事ですし、健康に携わる仕事ですから、「想い」があって当然かもしれませんが、仕事のフローにも組み込まれているということが新鮮でした。
今まで「仕事」って、型や仕組みが決まっていて、「言われたことができたか」とか「結果が出たか」という事実のみで結論が出る、そこでその人の評価をされることが多く、ほとんどブレは起こらないと思っていました。
FJGは、同じ仕事をするにも過程を大事にするし、熱意をもって取り組んでいたか、本人が成長したか、など会社に感情がある。人に熱意があり、血が通っていると感じました。

役職が偉いのではない。役割があるだけ。それが分かるようになりました。

私自身、今まで転職したとき、新しい職場では毎回、必ず新人の役割からスタートしています。
前職でも、アルバイトに近い立場から、窓拭きもトイレ掃除もしましたし、そこから徐々に役割が変わり最終的にはエリアマネージャー、部長に近い役割までいって。また転職してイチからスタートするという(笑)。それを何回か経験すると、見えてくるものがあるのです。
FJGに入社してからも、最初は当然、研修生からスタートして、ゼロから施術を覚えました。先輩にたくさん教え導いていただき、ここまで来ることが出来ました。
今でこそ、同僚より年齢的に上だからか、「落ち着いていますね」と言われることもありますが、そんなことは全然ないと思っています。若い時は、体育会系の気質だったので、年下からあれこれ指示されていらっとしたりということもありました。
ただ、この年齢までそういう経験をしてくると、次第に自分が偉いのではないということが分かってきます。役職だけが仕事じゃない。役職は役割ですし、それぞれの仕事がどれも大切。振り返ると、周りよりお客様や人と接する仕事をずっとやってきた訳ですし、下積みもやってきたことは間違いない。下積み時代も、貴重な経験です。

これからは、後輩たちがチームを作る楽しさを感じて欲しい

(写真:左 店長時代にスタッフたちと。右手奥が安村さん/右 休日は仲間とサッカー観戦に行くことも)

以前は、エリアの仲間と「サッカー観戦部」を作って休日に一緒に行ったり、みんなでフットサルをしたり、スノーボードに行ったり、釣りに行くなどをしていました。
年齢的に一番上だったし運転も得意だったので、必然的に車で送り迎えをしていましたね。上下関係ではなく普通に兄貴として接してきました。でも、連れて行くとか、面倒をみていたというより、私が面倒みられていたのかもしれませんが(笑)。
これからは、後輩たちには、仲間づくり、チーム作りを楽しんで欲しいし、継承して欲しいですね。この思いを体験して欲しいと思います。
入社して数年、店長となり、セルフケアグッズの担当になったり、統括店長をやらせていただいたり、おそらく経験と視野を買われてだと思いますが気づいたらマネジメントに携わることになっていきました。

整体師である後輩たちに伝えたいこと。

FJGの素晴らしいところは、お客様と仲間に向ける熱意、優しさが会社のエネルギーになっているところ。ロジカルな会社運営の中でも、人と人のつながりがしっかりしていて組織が生きている、動いている感じがすることです。
カラダファクトリーには、「KA・RA・DA 365」というプロジェクトがあります。施術はもちろんのこと、セルフケア方法のレクチャーやセルフケアグッズのご紹介により、サロンに来られない時間にもお客様に寄り添えるパーソナルボディケアをご提案していきたい。
セルフケア商品について、価値を決めるのはお客様であること、自分(整体師)の価値観で良いとか安いとか高いとかじゃない。商品の情報をまずお客様にお伝えすること。必要かどうかはお客様が決めることです。
結果的に、その商品がお客様に合っていたり、楽しい体験ができたら「ありがとう」と言っていただける。ファンになって頂けるのですね。
お客様に、自分の知識・情報を信頼していただけるか。整体師が施術や接客をすることと、同じです。相手に正確な情報を伝えて、お客様に信頼される施術かどうか、どのような未来が見えるか、価値や効果を実感していただけるか。整体師の技術・サービスもセルフケアのご提案も同じだと思うのです。

今も現場で整体師として、お客様とそのご家族みなさまの接客に入らせていただいています。

いまも月に数回は必ず、現場(店舗)に出るようにしています。
お客様の中には、ご家族でみさせていただいている方も多く、奥様がいらして、旦那さんがいらして、お子様もいらして、とつながっていっています。ご紹介で来ていただいた方は必ず施術に入らせていただきますし、そうするとそのご家庭の歴史を伺うことも。
お子さまが高校受験ですとおっしゃっていた方も、気づけばもう就職されて、とか。最初のお子さんを妊娠されていたお客様も、二人目を授かりましたとか。
普段の生活にカラダファクトリーを組み込んでいただいて、自分が少しでも、誰かの役に立てたのかなと思うと、それが一番のやりがいですね。

私自身も、店舗勤務にあまり「慣れない」ようにしているところがあります。
同じお客様でも、体調が同じ日はないですし、同じ施術をすることもない。必ず何か気付くし、毎回アドバイスさせていただくことも変わってきます。
どれだけ長く通っていただいていても、当店に来ていただく理由があるはずなので、プロとして勉強をしていたいし、毎回毎回お客様の変化に気づいていたいと考えています。
お客様に提供できるものが、前職時代の、ギア(スポーツ商品)から、整体技術に変わりましたが、自分の接客・技術やアドバイスでも喜んでくださるお客様がいらっしゃる。
今までの経験が生かせているし、整体師の仕事が自分に合っていると思います。

座右の銘は「仕事と思うな。人生と思え」という言葉。 入社間もない後輩に伝えたいのは「自分が整体師になったときの思いを大切にして」ということ。

FJGに入社してくるスタッフは、「確かな想い」をもって入社してくるスタッフが多いと思います。お客様を健康に導きたいとか、スポーツや運動機能の改善に興味があるとか。そういう意志の強さで入社してきてくれて、FJGは教育・研修制度も整っていますから、若手にパワーがあります。
私が若いとき、先輩から聞いて、座右の銘になっているのが「仕事と思うな。人生と思え」という言葉です。私は、この言葉がきっかけでポジティブになれたので、今もあまり過去を振り返るということをしなくなってしまったんですが(笑)。
 若いときは、「隣の芝生が青く見える」というように、他人や同級生が他の仕事で活躍して見えたり、自分の進む道が正しいのか迷ったり、自分に自信がないものです。色々欲しいものはあるし、未来が見えない。様々な誘惑があります。
だからこそ、入社間もない後輩に伝えたいのは「自分が整体師になったときの思いを大切にして欲しい」ということ。自分の人生の貴重な時間を費やしているのだから。そして、せっかく技術を学べて、お客様に提供できる、「整体師」になれるこの会社に入社したのだから。自分がどうしたいかが一番重要だと思います。
整体師を目指した理由っていうのを常に大切にしていただきたいなと思います。20代で培った知識や経験が、30代、40代に根っこになる。
これからも後輩たちに、FJGの良さ、整体師という仕事のやりがいを伝えていきたいです。

安村 大

2015年6月、ファクトリージャパングループ(FJG)に中途入社。カラダファクトリー代官山店、京王稲田堤店、国立店を経て、2017年エリア統括店長。
店長としての実力に加え、前職アクションスポーツ業界の経験を生かし2018年エリア支部長兼セルフケアグッズ担当ラウンダーとなる。その後、2020年1月第五部副部長。
2021年1月サロン第二部ゼネラルマネージャー(現任)。2022年7月末時点で関東47店舗の運営を統括している。

写真 / 株式会社トイロデザイン

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