Searchキーワード検索

Categoryカテゴリー

Tagタグ

Culture

スポーツ現場でのインターンシップを開催 採用担当者が伝えたい「整体師×トレーナー」にとって大切なこととは

今回のKA・RA・DA magは、2022年9月下旬に東京都立川市のタチヒビーチで実施された、ファクトリージャパングループ(以下、FJG)の学生向けインターンシップの様子をお届けします。

2024年卒の学生を対象とした本イベントでは、アスリートサポートの現場見学会を実施。JFA全日本ビーチサッカー大会4連覇中の強豪『東京ヴェルディビーチサッカー(以下、東京ヴェルディBS)』にご協力いただき、KA·RA·DA Experts for sports(FJGの有するスポーツトレーナーチーム)に所属する澤野貢さんの活動を見学するといった内容です。

本イベントを中心になって企画したのは、FJG人事部で採用担当を務める瀬戸麻綸さん。当日の運営には、瀬戸さんの上司である的射場裕哉さんも参加しました。

イベントの狙いについて瀬戸さんは「整体師の仕事について知ってもらうために、スポーツという身近なところから、整体師の仕事に触れてもらいたいです」と語ります。

「砂上のサッカー」に見入る学生たち

イベント当日はよく晴れ、残暑も薄まって、屋外でのイベントにも適した過ごしやすい気候となりました。集合時間は8時半。東京ヴェルディBSの活動にあわせて早めのスタートです。徐々に集まり始めた学生たちには、アルコール消毒と検温にご協力いただきます。

「この日が初めてのインターンシップ」だという学生が多かったこともあり、集合時点では全体的に緊張した雰囲気。参加理由について質問してみると「スポーツにかかわる仕事がしたいから」「実際の仕事現場を見られると聞いたので」などの回答があり、これから始まるインターンシップへの期待が高まっている様子でした。

8時半になりビーチに移動。ビーチでは東京ヴェルディBSのメンバーが練習を始めていました。耳を打つのは裸足でボールを蹴る力強い音。砂上で行うビーチサッカーは通常のサッカーよりもボールが転がりにくいぶん、華やかな空中戦が多くなりがちです。学生たちも一人ひとりが目の色を変え、選手たちのプレーに見入っていました。

澤野さんは「チームの仲間」 選手とトレーナーの枠を超えた信頼関係

スポーツトレーナーとして2019年からチームに帯同する澤野さんは、東京ヴェルディBSというチームについて「プライドを持って試合に臨んでいるチーム」と語ります。「王者でありながら、どのチームよりも多く練習している。その積み重ねがあるからこそ接戦でも負けることがありません。普通であれば出てもおかしくない妥協が一切なく、本当に厳しくやっている姿が格好いい。だからこそ、僕も全力でサポートしなければいけないと思っています」

一方で、東京ヴェルディBSの選手たちも、澤野さんのことを単なるスポーツトレーナーではなく「チームの仲間として戦ってくれている」と評します。時には選手に混じって練習にも参加し、プライベートについての話も多く交わす姿勢は、選手から「僕以上にチームになじんでいる」という声もあがるほど。

身近な関係であるからこそ、選手たちも気を使うことなく、澤野さんに対して必要なケアを求めることができます。副キャプテンの見山選手は2019年の入団。同じ年に帯同を始めた澤野さんについて尋ねると「選手ごとに異なる身体の特徴を理解し、それを踏まえてケアしてくれるので頼りがいがあります」と笑顔。これまでの大会帯同時のエピソードにも触れつつ「澤野さんに育てていただいた」と3年間を振り返っていました。

それぞれの視点で選手やトレーナーを見つめる学生たち

インターンは、まず学生たちのグループわけと、自己紹介から始まります。メインのワークでは『自分がトレーナーだったら』という視点で、東京ヴェルディBSの練習や、練習後のケアを見学。選手たちや澤野さんの動きを見ながら、気になった点、気づいた点を、共有していきました。

ビーチに出て、選手たちの練習を見つめる学生たちは、そこから何かを発見しようと真剣な表情。中には選手と同じように、裸足になって砂を踏みしめる学生も。とくに注目しているポイントは? と何人かの学生に訊いてみると「選手の身体つきは普通のサッカーとどう違うだろう」「ビーチサッカーならではの怪我をしやすいのはどんな時だろう」など、それぞれから異なる答えが返ってきました。

その後、共有した内容についてグループごとに話し合い、最後には選手や澤野さんに質問を投げかける時間もありました。

かなり踏み込んだ内容の質問も多くありましたが、一人ひとりの学生が真剣だからこそ、選手や澤野さんもしっかりと回答していきます。

「ビーチサッカーを始めた理由は?」と尋ねられた選手は、「ビーチサッカーはごまかしがきかない、個々の意識の高さが試されるスポーツです」と、ビーチサッカーの魅力を語ります。「5人で戦うビーチサッカーは、11人で戦う通常のサッカーと比べて、1人の選手がゲームに与える影響が大きい。だからこそ、どのような意識で競技に向き合うかが、とても分かりやすく結果に影響します。そういったところの分かりやすさが、この競技を選んだ理由ですね」 施術のポイントについて問われた澤野さんは「選手やお客さんに本音を言ってもらえること」と、コミュニケーションの大切さを説きます。「たとえば『本当はもっと強く押されたいけど、澤野さんに悪い気がして言い出せない』と選手やお客さんに思われたら、それだけで足を引っ張ってしまいます。そうならないために、安心して本音を言ってもらえる関係を普段から築くよう意識しています。これはトレーナーや整体師の仕事に限らず重要なことだと思います」

伝わったのは「コミュニケーションの大切さ」

イベント終了後、何人かの学生たちに感想を聞くことができました。特に多かったのが「コミュニケーションの大切さを感じました」「選手と澤野さんのやりとりが素敵でした」といった声。軽口を叩きながらも、お互いへのリスペクトも隠さず言葉にできる関係性は、学生たちの目にひとつの憧れとして写ったようでした。

瀬戸さんや的射場さんに対して「入社するために必要な資格はありますか?(※)」「他の競技へのスポーツトレーナー派遣はどのようなものがありますか?」など、エントリーや入社後に向けたより具体的な問いかけをする学生の姿も。集合時の緊張した雰囲気はすっかり消えていました。

まずは「ひとつのことを追求」

学生たちが帰路についた後、澤野さんにも話を聞きました。参加した学生たちの印象を尋ねると「現在大学3年生ということで、就活が始まって間もないこの時期に、こういったイベントに来るという意欲がすごいことですね」と目を細めていました。

また、学生たちがこれから本格的に臨んでいくことになる就職活動については「まずはひとつのことを追求してみてください」とアドバイス。「僕の場合はそれがスポーツでした。運動神経が良いわけではないので、僕自身が選手として大成することは考えていませんでしたが、スポーツに携わることを諦めずに続けてきた結果、今の立場に就くことができました」と、自身の経験を交えながらエールを送りました。

「追求して形になったときに、今度はそこにあぐらをかかないことも大切です」とも。「環境に慣れて満足してしまうと、そこからほころびが出てくるものです。常に新しいことをしていく意識を持ちたいですね」と語る表情からは、東京ヴェルディBSの選手たちと同じように、自らの仕事を妥協なく追求していく姿勢が垣間見えました。

コロナ禍を経て、より洗練された採用の形へ

今回のイベントを企画・運営した、瀬戸さん、的射場さんの両名にも話を聞きました。イベントを終えての手応えとしては「コミュニケーションが大切だという感想を、多くの学生が持ってくれたことが印象的でした。そこは私たちにとっても伝えていきたい内容なので、良かったです」と瀬戸さん。

2019年末から始まったコロナ禍によって、FJGの採用活動も変化を余儀なくされました。的射場さんは「WEBでの説明会や面談が中心となり、私たちの温度感が学生にきちんと伝わっているのか、不安になることもありました」と振り返ります。「対面での仕事をずっとしていますから、学生相手であっても、実際に会えば仕事の魅力を伝えられる自信はあります。ですがWEBでの説明会ではリアクションが見えないので、1枚壁があるような難しさはありましたね。そんな中でもいかにきちんと伝えていけるかというのが腕の見せ所です」

現在は、対面でのイベントが徐々に再開。一方で、コロナ禍で増えたWEB上でのイベントも継続しています。また、今回のような対面のイベントであっても、グループ内での共有にスマホのツールが用いられるなど、コロナ禍で培われたデジタルツール活用のノウハウが生かされていることが分かります。

施術現場から本社へ。瀬戸さん・的射場さんのキャリア

今後の展望について瀬戸さんは「この時期のインターンは、1年以上先に入社する方に向けたイベントです。ですから当面は、整体師という仕事のやりがいや楽しさを知ってもらえるような展開をしていきたいですね」と語ります。「年度が変わって説明会が始まった時、いかに興味を持ってもらえるかは、今の私たちの伝え方次第だと思います。ひとまずはそこに向けて、力を入れてやっていきたいですね」

瀬戸さんと的射場さんご自身のキャリアについても伺いました。ふたりはいずれも入社してから整体師として経験を積んだ後、現在は採用担当として本社に勤めています。

瀬戸さんは自身の学生時代を「あまり就活はしっかりやっていなかった」と振り返ります。そんな中でも「マッサージの仕事には興味を持っていた」ことからFJGに入社。整体師として経験を積む中で、人事の仕事に興味をもつようになったといいます。「就活時や入社時から考えていたわけではなく、働きながらキャリアプランを考えていました」と瀬戸さん。そんな瀬戸さんが、施術の現場でも、本社でも変わらず大切にしているのが「目の前のことに一生懸命取り組む」姿勢です。「現場ではお客様の施術を、今は採用や人事の仕事を、その時々で自分の前にある仕事をまっとうしたいという意識で働いています」

的射場さんは、本社へのキャリアチェンジを決めたときのことを「プライベートで環境に変化があったタイミングで、気にかけてくれる上司が提案してくれた」と回想します。

当時の的射場さんは、統括店長として3つの店舗をマネジメントする立場でした。「違った範囲にも影響できる環境で働いてみたいと考えていた時期なので、上司の誘いは転機になりました」とのこと。とはいえ立場が変わっても、整体師という仕事への情熱は変わりません。「自分の技術で、人の人生に携われる仕事ですね」と、整体師として働く魅力を語ります。

現在は自身が整体師として施術をする立場から、整体師の魅力を伝えていく立場に変わった格好です。

整体師は「お客様の人生をサポートできる仕事」

最後におふたりから、今後FJGへのエントリーを検討している学生に向けてメッセージをいただきました。

瀬戸さんからは「現在大学3年生の学生さんは、就活がこれから本格化し、学校の授業やゼミもあって、ますます忙しくなると思いますが、その中でも整体師の仕事に興味を持ってもらえたら嬉しいです。今後のインターンや説明会、面接の場でお会いできることを楽しみにしています」と、これから多忙な時期を迎える学生たちへのエール。

的射場さんは「ぜひ来てください。整体師は自分の手を通して、お客様の人生をサポートできる、やりがいのある仕事です。努力しただけスキルが増えますし、スキルが増えれば将来の独立など、キャリアの選択肢も豊富に増えていきます。こんなに魅力的で夢のある仕事はなかなかないと思います」と、整体師のやりがいや楽しさについて話してくれました。

澤野 貢

FJGスポーツトレーナー(KA·RA·DA Experts for sports)
2011年新卒入社。カラダファクトリー小田原店を経て、カラダファクトリー川口店店長。
2019年から東京ヴェルディビーチサッカーチームに帯同。

東京ヴェルディビーチサッカー

オフィシャルメディカルサプライヤー契約
東京都立川市をホームタウンに活動するビーチサッカーチームで、2017年2月にチーム設立。
日本主催大会のJFA全日本ビーチサッカー大会で4連覇するなど、国内では日本一のビーチサッカーチームとしてビーチサッカー界を牽引しています。
カラダファクトリーは、2017年にサポート契約。大会への帯同や日々の練習におけるストレッチや整体の施術を提供しています。
東京ヴェルディビーチサッカー オフィシャルサイト

http://verdy-bs.net/

的射場 裕哉

2011年新卒入社。
整体師として大阪府の八尾店店長、大阪駅前第2ビル店・浦和パルコ店統括店長を経て、2016年2月に本社へ異動。現在は人事部で採用担当をしている。

瀬戸 麻綸

2013年12月入社(2014年新卒早期入社)。
整体師として、たまプラーザ店、飯田橋店店長を経て、2020年1月に本社へ異動。現在は人事部で採用担当をしている。

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう。