【座談会企画】「家族のようにお互いが身近な存在」若手社員を多方面からサポートするメンター制度とは
ファクトリージャパングループ(以下、FJG)では、2023年10月より、2023年新卒入社スタッフに対する「メンター制度」を開始、これまで通算2期実施してきました。
メンターとは、「支援者」や「相談者」のこと。若手社員が、自分の仕事や将来の方向性について指導・助言をしてくれる、信頼のおける相談相手のことを「メンター」と呼んでいます。一方で、受け手である若手社員側のことを「メンティ」と呼びます。 今回のKA·RA·DA magは、この度、第一期メンバーとして参加いただいたメンター・メンティ2組の座談会の様子をご紹介いたします。
制度設計で大切にしたのは、メンティの”心理的安全性”を確保すること
メンター制度の管理者である人材支援本部本部長の大杉さんに会社の制度や流れを伺いました。
「メンターは実施前に専門の社内研修を受講し、メンターとしての姿勢を持っていただいた上で面談に臨んでいます。
また、この時間はメンティのための時間と思って、メンティの心理的安全性を確保し、リラックスして面談が行えるよう配慮しています。」
期につき面談を12回実施。「話を聞いてもらってすっきりした」という声も。
座談会の司会者は、メンター制度の事務局を担当しているFJG経営企画部の佐藤さんです。座談会の冒頭に、これまでの経緯を簡単に振り返りました。
「2023年に始まったメンター第1期では、新入社員193名を対象とし、48名の営業部マネージャーや教育部メンバーがメンターとして選ばれて面談を行いました。また、今年2024年も第二期が始まっており157名の新入社員が対象となっています。
メンティのみなさんからは、“話を聞いてもらってすっきりした”、“応援しているよ”、と言ってもらえて励みになった”といった前向きな感想が寄せられています。
メンターが最も大切にしていることの1つがメンターによる”見本”であり、メンターとメンティとの間に”信頼”関係があってこそ”支援”となるという、3つの段階が必要です。
そんな中、先輩社員であるメンターのみなさんからは”普段から自分自身が見本となれる行動、姿勢、思考、言動になるよう気を付けたい”、”目を見て笑顔で対話することを心がけたところ徐々に信頼関係を築けた”、”自分自身も成長出来ているので、メンティと一緒に成長していけるようにしたい” という声がありました。」
メンティを支援するための制度ではありますが、メンター自身に気づきや成長が多いことが分かります。具体的な事例は、座談会で詳しく伺っていきます。
今回、座談会にご参加いただくのは、以下の二組のみなさんです。
・メンター中村明弘さん、メンティ野一色優香さん(カラダストレッチ ららぽーと横浜店) ・メンター五十嵐育美さん、メンティ浦野誠矢さん(カラダファクトリー ミウィ橋本店)
まずは、メンターのお二人に伺います。
野一色さんは、ひとつひとつの目標を着実に達成しており、頼もしく見ています。
メンターである技術教育部の中村さんは、技術研修やランクアップの試験官などを担当しているため、メンティの野一色さんについては、早期研修のときから間近で見ていたそうです。
野一色さんは、目標に対してまっすぐで、自分自身で開拓していっており、カラダファクトリーからカラダストレッチへの異動を叶えるなど、スポーツトレーナーへの道も着実に歩みを進めているとのこと。その成長を頼もしく見ているそうです。
中村さんのメンティである野一色さんは、
「中村さんは、早期研修のときから見てくださっており、話しやすく、いつも楽しませてくださっています。いつもリモートでの面談なのですが、店舗では騒がしくスペースがないため、実は近くのカフェスペースで30分ほど面談しています。」と話します。
これまではずっとリモート面談。実は、今回直接会うのは初めてです。
もう一組のメンターは、社長室でカラダプレミアムやカラダピオニーの運営を担当する五十嵐さん。「初対面からリモートで、実は今回直接会うのは初めてです。小学生の時からサッカーをしていて休日も身体を動かしているそうで、ムードメーカータイプ。本人は今もランクアップ試験に挑戦中ですがそういったことを含めざっくばらんに公私区別なく色々な話を聞いています。」とのことです。
メンティである浦野さんは、「五十嵐さんは、いつも緊張しない空気感を醸し出してくれて、もっと長く話したいと思わせてくれる方です。技術のランクアップ試験を何度も受け続けているとメンタルが落ち込むときもありますが、いつも話を聞いていただけるので、これまであきらめずに試験にチャレンジできているのだと思って、感謝しています。」
紹介が終わると、さっそくメンターから実際の取り組みや心境の変化を聞いていきます。
メンターとなる前後で何か心境の変化があったかというと、メンター制度が始まった当初は戸惑いもあったという五十嵐さん。
面談というより、会話を楽しめばいいんだという気持ちになりました。
「正直、“メンター制度”というのは未知の世界だったので、最初は抵抗感がありました。ですが、面談をするようになるととても楽しくて。“メンター面談”というより、まずは会話を楽しめばいいんだと意識が変わりました。その中でメンティの変化に気づきたいと思って、面談の前には今まで以上に準備してから面談に挑むようになりましたね。」
相談に関しては、これまで自分も経験してきたことばかりなので、どちらかというと自分の感覚を思い出すような、自分を振り返りながら接するような感覚だったそうです。
一方で、メンターの中村さんは、面談するうえで心掛けたこととして、こう言います。
毎回、“気づき”を与えること。違う視点もあると何か1つでも感じてくれたら。
「店舗では、一店舗の中だけにいると考えが固まってしまうこともあります。メンティの野一色さんはスポーツトレーナーとして勉強会や帯同先に出かけることで価値観を広げることや気づきはあるとは思う。でも、それとはまた別に、自分と話すことでもう一つ違う視点があるということに気づけばいいかなと思いました。」と話してくれました。
ベテランの技術教育部マネージャーである中村さんですが、自分自身が成長したと思ったポイントがあるようです。
「(野一色さんは)考えがしっかりしているので、純粋に、“そういう考えもあるのだな”と受け止めて学びにしています。自分も年齢的に、徐々に若手スタッフとの年齢差が出てきたので、いまの若手の生の声、困っていること、壁にぶち当たっていること、その感覚を知ることが出来たのは良かったと思います。」
そして、面談時間については「30分という時間では足りないと思うことがありましたね。話のきりがすごく悪くて、かといってお互いに前後はスケジュールが詰まっている。目標とする結論(気づき)まで持っていきたいところが、中途半端に終わってしまうこともありました。」と振り返ります。
面談の中で、ちょっとしたことにも感情の波があることに気がづけるようになりました。
五十嵐さんは、自分自身の成長したポイントとして「会話をしていく中で、今まで見過ごしていたこと、ちょっとしたことにも相手に感情の動きがあるということを気づかせてもらいました。通常の面談でも、大きな出来事は伝わってくるけど、何気ないやりとりの中でも感情の動きがある、それに気づきやすくなりました」ということです。
管理する面談だと、感情は後回しとなりがち。ビジネスだから目標や数値を指標にすることも多く、感情を出してはいけない状況もありますが、メンターの面談はフラットな関係性だから思ったことを言いやすい、感情を拾いやすいというのは新しい発見です。
次に、メンティ(新人スタッフ)のお二人にも話を伺いました。
まずは、中学生の時からの夢であるスポーツトレーナーを目指して入社した野一色さん。研修を終えて、店舗に配属されたときの感想はどうだったのでしょうか。
最初の店舗配属はカラダファクトリー。そこからカラダストレッチ、スポーツトレーナーへチャレンジ。
「中学生の時からのスポーツトレーナーという夢を目指し入社しましたが、実は、研修の時は苦労しました。覚えないといけないことや、接遇研修など。合格できるまでずっと残ってやっていましたし、最初はうまくできずにボロボロのスタートでした。最終的に卒業はできましたが…」
野一色さんが最初に配属されたお店については「カラダファクトリーに配属されましたが、同期入社が3人いて、研修時代とあまり普段と変わらず最初のスタートが出来たのでよかったと思います。いい環境でした。」ということです。その後着実に成長し、習得したい手技が出来るカラダストレッチへの異動や、スポーツトレーナー事業への所属も叶えていっています。
メンターの中村さんは「彼女は合格できても、自分が納得していないというときはしっかりこだわって習得していました。つきつめる性格で、理想とするなりたいイメージがあるのだと思います。そういうのを見ているので、着実に成長しているのが分かりますね。」と言います。
ちょっとしたメンタルの波も、五十嵐さんと話すことで整えていました。
一方で、メンティの浦野さんは配属時のことをこう振り返ります。
「地元のもともと知っているお店だったので良かったです。最初は緊張していたのですが、実際に行ってみたら店長も先輩もみなさん優しく温かく迎え入れてくれて、お客様とのかかわりやコミュニケーションのとりかたとか教えてくれたので、楽しくスタートができました。
店舗では、研修をしたり練習したりランクアップに送り出してくれたり、環境的にとてもよかったと思います。ただ、メンタルのことはお店で相談することはないですし、シンプルに疲れがたまったとか夜更かししたとき、気力やモチベーションが落ちるとき、メンタルの波がありましたが、それはメンター面談で話して整えたりできました。五十嵐さんは、プライベートな話やちょっとした愚痴も聞いてくださいました。」
そして、もしメンターがなかったら?という質問が飛び出すと、「もしなければ、モチベーションが下がったままでランクアップ試験を受け続けていなかったかもしれない。店舗の環境はよかったけれどこれまで1か月に1回の面談でモチベーションを持ち直してきました。」と打ち明けてくれました。
このあとの目標は、「今は治療家として技術を磨くことに集中していますが、その場だけでお客様のお身体の“改善”だけになっているのでもっと予防面やセルフケア方法なども提案できる施術家になりたいです。」と教えてくれました。
入社当時に描いた目標は「世界一のスポーツトレーナー」。もっと納得する技術を身に着けたい。
明確にスポーツトレーナーという目標があり入社した、メンティの野一色さん。
中学生時代に初めてスポーツトレーナーを志したときは、通っていた整骨院の先生にそれは無理、なれない、と言われてしまったそう。そこで方向転換し大学では教職課程で学び資格を取得するも、その後の就職活動で夢をあきらめきれず、トレーナー志望でFJGに入社したといいます。
入社時に掲げた目標は、「世界一のトレーナー」。これからのことをこう語ってくれました。
「世界一のアスリートを支えたい。まだ、自分に足りない部分があるので、まずは技術のランクアップ、セルフケアの部分も提案できないといけない、今いらっしゃるお客様のことを第一に考えなくてはいけないし、スポーツアスリートにアシスタント帯同に行っている時はそこでしか学べないこともある。外に出た時(帯同など)で会う方の中には店長を兼務している方も多いので、自分にまだまだ足りない部分があると思っています。世界を目指すうえで自分が納得できる施術家になりたいです。」
人材支援本部大杉さんからの質問「メンターはどんな存在?」
座談会の後半では、会を主催するFJG人材支援本部本部長の大杉さんからメンティの2人に「お二人にとって、メンターはどんな存在ですか?」という質問がありました。
メンティの野一色さんは、「友達以上、家族未満くらいの存在です。実家が遠いため、家族には電話はするのですが、直接会って色々話すのはなかなか難しい状況。中村さんは、私がほとんど大学生かという時の研修生時代からの自分を知っていてくれる方なので、それくらい近い存在です。」
同様に、メンティの浦野さんも「五十嵐さんは、お姉さんとか、そういう感じでとても近い存在です。」と答えてくれました。
二人にとって、身近で親身に話を聞いてくれる一番の味方、兄姉のような存在になっていることが分かりました。
続けて「メンター面談はずっと続くわけでなく、1年でいったん終了となります。あと残すところ数回で面談は終了なのですが、これからどう生かしていきたいと思いますか?」という質問も。
「後輩たちに、相手に合わせて同じ目線で話してあげられるようになりたい」
野一色さんは「同じ店舗だとメンターのような付き合いは難しいですが、プライベートな話になったときに自分が聞いてもらったようにすることは出来ます。これからいつかキャリアを積んで中村さんのような立場になったら、自分だったら“こう”というのを押し付けるのではなく、相手に合わせて同じ目線で話してあげられるようになりなりたいと思います。」とのことです。
浦野さんは「自分は、つまずいた時の起き上がり方は、この一年で誰より身についてきたので、教えてあげたいです。また、話しやすい空気感というのもメンターでやっていただいて五十嵐さんから学んだので、話しやすい空気や質問を投げかけてあげられるように、想いを吐き出させてあげるようにしてあげたいと思います。」と教えてくれました。
座談会の最後に、メンターの2人から今後メンターになる方へのアドバイスがありました。
中村さんは、教育者としての意見。「メンターでは、相手のことを考えて。“よくしよう”ではなくて、その方にとって何がいいか。人それぞれなので、その方が何を求めているか、相手のためを思って一緒に何か見つけてあげる、そういうやり方でいいのではと思います。」とのことです。
また、五十嵐さんは気負わず、「これまで自分たちも手探りの中やってきたのでまだ正解はないですが、やってみたら絶対自分の糧になるし、ぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。単純に、面談を楽しんでみたらいいのではないかと思います。」ということを教えてくれました。
FJGはかねてより「ブラザー・シスター制度」など様々な若手社員の育成に力を入れてきましたが、今回のメンター制度は直接的な仕事の上下関係ではなく「ななめの関係」で先輩と新人スタッフが面談を行い見守る形にしています。
これまで通算2期(2年間)実施しており、来年2025年には第3期がスタートすることが決定し、自薦と他薦を含め35名のメンターたちが新たに入社してくれる新人スタッフをサポートしていきます。
大杉 信之
中村 明弘
五十嵐育美
野一色 優香
浦野 誠矢
佐藤 尚子
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