
今回のKA·RA·DA magは、FJG技術顧問のトレーニングコーチ清水忍先生にインタビューをしました。
このインタビュー内容は、YouTube動画(https://youtu.be/myXR_K5jTkA )でもご覧いただけます。
Q.清水忍先生のキャリアの始まりは?直ぐにスポーツ業界に就職したのですか?
学生時代に4年間、フィットネスクラブでインストラクターのアルバイトをしていました。その後、フィットネスクラブに新卒で就職したのですが、トレーニング指導業務ではなく販売促進部に配属され、スーツを着て数字を追う業務に従事しました。
しかし、指導の仕事をしたいという思いがありながらも実現できず、3年で退職。
その後、友人が経営する不動産業に携わりましたが本気になれず短期間で退職し、故郷の群馬県へ戻りました。今思えば本当に辛抱が無かったです。
実はこの時にウエスト100cmを超え、かなりのメタボになりました。学生時代からシェイプされた体を保ち続けていた私としては考えられない状態でした。ただ、この事は後に大きな財産となる経験でした。
Q.群馬県に戻った後の経緯は?
実家の町工場を継ぎましたが、自分のやりたいことではないと実感しやはり本気で取り組めませんでした。一方、やはり元の体型に戻りたいのと、フィットネスの現場の雰囲気が好きだということもあり、仕事が終わった後、毎日お客様としてフィットネスクラブに通いました。
その後、やはり本当にやりたいのは運動指導なのだと実感し、改めてスポーツクラブでアルバイトをするところから再開。親戚一同からは、「30歳過ぎてフィットネスクラブのアルバイトか・・」と心配する言葉をもらいましたが、そこは全く気になりませんでした。
本当にやりたい仕事だと痛感していたため、その後は以前のフィットネスクラブ社員時代とは比較にならないほど良く勉強して指導の技も磨いて行き、そのうち新入社員研修を担当するようになりました。この経験を通じて、人に説明する能力が向上し、指導の道への自信を深めました。
そんな時、先輩の誘いを受けて東京での仕事を紹介されました。先輩からは「自分の能力をもっと活かす仕事に就け」と言われました。しっかりと頑張っていると、誰かが見ていてくれるのだとつくづく思いました。
Q.スポーツトレーナー養成専門学校ではどのような経験をされましたか?
東京ではスポーツトレーナー養成専門学校の部門責任者に就任しました。これまでのトレーニング指導業務とは異なる役職に戸惑いを感じましたが、異色な経験をしてきたからこそ分かる、運動しない人の気持ちや、やる気の無い人の気持ちを考慮したカリキュラム作成に取り組みました。
トレーニング指導がどれだけ素晴らしく、楽しく、やりがいのある事か、そして、今後も非常に可能性のある業界である事を学生達に伝え続けました。
また、必要な講師を集め、学生のやる気を引き出す指導を追求しました。この時にお会いした多くの専門家の講師達との繋がりも、その後の大きな財産となる経験でした。
Q.菊池雄星投手との出会いについて教えてください。
その繋がりの一つがこれです。非常勤講師からの紹介で、当時19歳の菊池雄星投手と出会いました。私の考え方に強く興味を持って頂き、また論理的な指導を行ったことで信頼を得ることができました。おそらく、それまでに紆余曲折も無く普通に過ごして来た自分だったら、興味を持って頂けなかったと思います。しっかりと追求しながら取り組んできた事が報われた瞬間でした。
その後、長い年月を二人三脚で成長を続け、現在の立場へと至りました。
菊池投手は後輩の選手たちを次々と紹介してくださり、今では西武ライオンズだけでも15人以上の選手を指導させていただいております。その縁があって紹介は連鎖していき、他球団選手、Jリーガー、プロボクサー、プロゴルファー、大相撲などのプロ選手や、バスケットボール、バレーボール、ダンス、水泳、アイスホッケー、アーチェリーなど、他にも様々なアマチュア選手もご指導させて頂くに至りました。
決して私がエリートでは無かったという事がご理解いただけると思います。打ち込める大好きな仕事を見つけ、それに取り組んで来ただけなのです。
Q.指導者として一番大切なことは?
技術や知識の多さも大切ですが、「この人の話をもっと聞きたい」と思われる人であるかどうかです。 菊池選手が言っていた言葉を思い出します。「知識と技術がある人は、自分の周りにはまさに五万といます。だから、そこだけでは選ばないです」。この言葉を聞いた時は、本当に嬉しかったです。
Q.最後に、スポーツトレーナーを目指す方へのメッセージをお願いします。
「本気でやりたい!」という気持ちがあれば、必ず道は開けます。
これはスポーツトレーナー業界だけでなく、すべての人に共通する考え方です。自分の仕事への誇りや周囲の評価にとらわれず、本気で取り組むことが大切です。
また、高い志を持ち、継続することで自分が、そして他人が想像している以上のステージへいける可能性があります。高い志を持ち、諦めずに続けられる人が育ってくれることを願っています。
【取材協力】
King of the Hill https://koh.sport/
菊地雄星投手が手掛けられている最先端のトレーニング環境とプロフェッショナルな指導が揃う、全天候型野球トレーニング施設「King of the Hill」隣には母校の花巻東高校があり、その間にモニュメントが飾られています。
インタビューの様子は、公式YouTubeチャンネル「KA·RA·DA チャンネル」でもご覧いただけます。
清水 忍/FJG技術顧問


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