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フェンシングメダリストの宇山賢さん「選手はトレーナーとの関わりやカラダの管理、コミュニケーションを勉強しないといけない」

フェンシングはヨーロッパ中世の騎士道、「身を守る」「名誉を守る」ことを目的として磨かれ、発達してきた剣技です。競技の特性上、重い剣を片腕で持ち続けたり、脚の踏み込み動作があるため、腰や片足の負担が重なるスポーツです。
カラダファミリーブランドは、フェンシング選手のみなさんが、日々の練習や遠征が多いシーズン中でも、疲労を蓄積せず、出来るだけ怪我を防ぎ、高いパフォーマンスが発揮できるよう、サポート契約を行っています。
2021年10月下旬、フェンシング エペ 宇山 賢 さん、日本代表チーム監督である青木雄介様がファクトリージャパングループ(FJG)本社をご訪問いただきましたので、その様子をお届けします。
また、後半では、日頃よりナショナルトレーニングセンター(東京都北区、以下NTC)へ帯同しているスポーツトレーナーのひとり、正木 亨輝さんにもお話を伺いました。

日本フェンシング協会と弊社ファクトリージャパングループ(以下FJG)は、2020年にサポート契約をスタート。FJGスポーツトレーナーが、フェンシング選手のみなさんの主な練習会場であるNTCに帯同し、選手の皆さんのフィジカルケアを担当しています。

フェンシングという競技は、ヨーロッパ中世の騎士による剣術がルーツとされている1対1の試合。種目は3つあり、全身を攻撃できるエペ、相手の顔と腕を除く胴体部を突くフルーレ、上半身を突いたり斬ることもできるサーブルがあります。個人戦のほか、団体戦は、4人で構成されています。
今回、お話を伺った宇山さんの種目であるエペはフェンシング競技の「決闘」を起源としており、全身が有効面。本場ヨーロッパでは最も人気が高いとされる種目です。宇山さんには、競技を始められたきっかけや今後についても幅広く伺いました。

コロナ禍での競技生活。フィジカルトレーニングとモチベーション管理には苦労しました。

2020年より、コロナ禍での競技生活となりました。
様々な練習が、コロナ禍で中止となったり、大会が延期となる中、選手仲間もモチベーションの維持は試行錯誤でした。表だって練習がしづらくなった時期もありましたが、自宅で器具を使ってトレーニングをしたり、緊急事態が緩和された時には少人数で集まって走ったり練習するなどしていましたね。
ただ、今回の大会では、無観客であっても試合中の、武井会長(フェンシング協会会長)や、太田雄貴前会長の大声援は耳に入りました。

競技を始めたきっかけは、地元香川県で、2歳上の兄がいるのですが、受験して入った中学校で先にフェンシングを始めていて。僕が同じ学校に入ったら競技人数が少ないということで誘われまして、そこで始めました。
実は、僕は音楽などが好きな文科系で、あまりスポーツに関心がなかったのですが、ここまできました。

フェンシングは、今季のメダル受賞で注目度が上がり、嬉しい悲鳴。
僕自身も競技の普及に関して何かしら活動していければと思っています。

フェンシング競技については、団体戦でのメダルの受賞をきっかけに注目度が上がっています。協会としては受け皿の問題もあり嬉しい悲鳴ですね。今までは、競技されている方も大学を卒業したら先生になって部活で教えるとか、ボランティアで教えるということしかなかったんですね。
東京に拠点があるコーチも少なくてだいたいみなさん出身地に戻られる方が多い。
協会として、場所と育成が課題ですが、今後は僕自身も、競技の普及に関して何かしら活動していければと思っています。

今後は選手たちの所属先やセカンドキャリアの支援のお手伝いやエペ3名の応援していきたい。

今後についてですが、所属している三菱電機で一社会人として業務に励みつつ、自分自身がJOC(日本オリンピック協会)就職支援制度である「アスナビ」に係わらせていただいています。
企業と現役トップアスリートをマッチングし、セカンドキャリアを保証しつつ選手を雇用していただく取り組みですですが、実は、この登録者で金メダルは僕が第1号だったとのこと。
やはり競技を辞めたり諦めたりという選手が多いので、僕としては今後、企業のみなさんにメリットをご説明させていただくなど、活動をしていきたいです。
また、エペ団体の3名は今後もパリへ行くと公言していますので、引き続き応援していきたいですね。

選手側も、トレーナーさんとのかかわりについて、カラダの管理やコミュニケーション方法を勉強しなければいけないですよね。

選手の立場で、トレーナーさんとのかかわりについてですが、
ある程度、熟練した選手は、トレーナーさんにお願いする部分と自分でコントロールしないといけない部分は把握していて、良好なコミュニケーションが取れると思います。
でもまだ若いとか経験が浅い選手ですと、トレーナーさんに対して期待感が高く、カラダのケアを丸ごとお任せしてしまったり、コミュニケーションがうまく取れないと態度に出てしまったりというケースもあります。
そうすると、選手が「持てるパフォーマンスを最大限に上げて、共に同じ目標を目指す」という目的に到達できなくなります。
トレーナーさんとのかかわりは、ただ「お金を払ってサービスを受ける」という単純なものではありません。一番大切なのは「コミュニケーション」。
今は、同じトレーナーさんに練習のとき、遠征のときもずっと離れずケアしていただけるという環境はなかなか難しいです。選手も、限られたタイミングの中で、どこまでをトレーナーさんにお願いするのかとか、自分自身、どうコントロールをしていけるかということを学ばなくてはいけないと思います。

その上で、トレーナーさんには、勝敗を共に喜んだり、寄り添っていただきながら(笑)、選手のカラダをみているとここが課題だから一緒に取り組んでいこう、という道を誘導してもらえれば、選手も嬉しいのではないかと思います。

カラダファクトリーのトレーナーのみなさんに
今後ともサポートをお願いしたいと思っています。(青木監督)

大舞台である国際大会が終了し、選手団との面談の中で今後の目標や要望をヒアリングしました。
そこで、カラダファクトリーの各トレーナーのみなさんの施術サポートが非常に助かっており、これからも引き続きお願いしたいと、熱い要望が多数寄せられています。
今後とも、よろしくお願いします。

―フェンシング協会様より、アスリートサポートの継続を記念し、オリジナルのサイン入りTシャツと、選手の大会でのご活躍を記録したイラストを頂きました。

―日本フェンシング協会へ帯同中のFJGスポーツトレーナーのひとり、正木 亨輝さんに伺いました。
FJGスポーツから日本フェンシング協会へは週3回の帯同をしていますが、正木さんはそのうち、1回の担当をしています。
大変、勉強熱心であり、選手に寄り添いコミュニケーションを取っていただけるとの評価をいただいており、今回は正木さんのそのお人柄を明らかにすべくインタビューしました。

もともとトレーナー志望。でも入社後は、カラダファクトリーの経験が一番大切と信じて、焦らずサロンでの経験に集中しました。

東京都国立市出身です。小学生のころから野球をしており、怪我で競技は断念しましたがスポーツトレーナー志望となり専門学校へ行き、卒業後にFJGに入社しました。
小学校に上がるまでは、サッカーをやっていましたがあまり合わなくて(笑)。
人それぞれだと思いますが、なかなかボールが回ってこない。その点、野球は打ったり走ったり捕まえたり、色々あってとても楽しかったです。当時からカラダが大きく、左利きで。ピッチャーをやらせてもらえました。
大学では特待生を取らせていただき進学したのですが肩、肘、膝と立て続けに怪我が重なり競技を諦めることに。
友人の社会人野球を見たりしていた中で、何か出来ることはないかな、と思い専門学校に入学し直し、トレーナーを目指すことにしました。就職活動中、当時のFJGの人事部採用担当の方の熱量もすごくて熱心で。FJGで頑張って経験を積もうと決めましたね。
入社してからも、お店(サロン)やお客様とのこれだけの(技術ランクや施術件数など)経験がないと外部でトレーナーは務まらない、店長やエリアマネージャーとそう決めて、まずはサロンでの経験に集中しました。

トレーナーとして、アスリートそれぞれの背景に寄り添い、
どうコンタクトを取れば信頼していただけるか、何を求めているかを察したい

2017年頃からスポーツセクションに所属し、実業団ラグビーチームへ週に1回くらい帯同させていただくようになりました。スポーツ経験があっても、競技ごとにカラダの使い方は全く異なります。
毎回毎回、勉強の日々でしたね。その後、体操選手の専属トレーナーとなりケアさせていただいたこともありました。
選手ひとりひとりに背景があり、どうコンタクトを取れば信頼していただけるか、何を求めているかは異なります。傾聴力も、洞察力も、またパワーを与えられるよう立ち居振る舞い、時には明るく演じる力も必要です。サロンでの経験は基本で自信につながりましたが、お一人お一人の選手と向き合い、勉強し、反省し、先輩方に教えていただき、たくさんフォローしていただき、ここまで続けてこれました。

フェンシングの競技特性と、求められるケアとは

昨年より、フェンシング協会のお話をいただき、競技については一から勉強をスタートしました。書籍や文献は多くないので、自分なりに動画配信サイトを視聴したり、WEBサイトを検索して試合の動画を見る、あるいは選手に直接聞いたり、練習風景を見せていただきながら競技特性を見ています。
フェンシングはフルーレ、エペ、サーブルと3種目、男女ごとにチームがあります。
特にサーブルに関してはとてもスピードが速く、腰や脚に負担がかかります。
全競技を通して下半身に負荷がかかり、怪我が多いというのが率直なところですね。
心がけていることは、やはり「常に朗らかでいること」です。
技術や経験はあたりまえに必要ですが、相手に信頼していただいて初めてトレーナーとしての力が発揮できるので、心を開いていただけるようこちらからアクションするようにしています。

トレーナー活動を経験し、サロンでも自信をもって、お客様がずっと動けるカラダでいていただけるようなアドバイスが出来るようになりました。

入社してから変わらず、カラダファクトリー飯田橋店に所属しているのですが、
トレーナーとして活動するようになり、施術のバリエーションやアプローチ方法が増えました。
ただ、カラダをケアしていきましょうというのではなく、施術の中でストレッチを取り入れたり、「ご自宅でもこのようなトレーニングをしてみて下さい」というように、お客様ご自身で健康を維持できるような、ずっと動けるカラダでいていただけるような、アドバイスが自信もって出来るようになりました。
これからもトレーナーとして会社に貢献したいですし、培った施術実績や知見についてはスポーツセクションだけの情報ではなく、社外にもこういった形で会社の取り組みが見える化していきながら、これまで帯同させていただいた選手の方や、会社にも恩返ししていきたいですね。

宇山 賢(うやま さとる)

フェンシング選手(種目:エペ)
1991年12月生まれ。香川県高松市出身。中学校からフェンシングを始め、高校2年時にインターハイ優勝。同志社大学に進んでからは全日本学生選手権で史上初の3連覇を果たし、4年時には全日本選手権でも優勝した。2018年のアジア競技大会のエペ団体で優勝。東京五輪では1回戦から決勝まで出場を続けて男子エペ団体の金メダル獲得に貢献した。2021年10月、現役引退を表明。三菱電機所属。

公益社団法人日本フェンシング協会

我が国におけるフェンシング競技を統括する唯一の団体として、フェンシング競技を通して国民の心身の健全な発達に寄与することを目的にしています。
FJGとは2020年、アスリートのためのサポート契約を締結。継続して日々の練習におけるボディケア・整体施術を行いサポートさせていただいております。

▼公式サイト
https://fencing-jpn.jp/ 

正木 亨輝(まさき こうき)

FJGスポーツトレーナー
1990年生まれ。小学1年生頃から約15年間野球(ピッチャー)を経験。スポーツ特待生として国士舘大学へ入学後、肘、膝、肩の怪我に悩まされ競技を断念後にスポーツトレーナーを志す。
東京リゾート&スポーツ専門学校スポーツトレーナー科を卒業後、2014年ファクトリージャパングループに入社。
カラダファクトリー飯田橋店配属、2017年よりFJGスポーツに所属。
実業団ラグビー部への帯同や、体操選手のトレーナーを経て、2020年より日本フェンシング協会の専属トレーナーとして練習会場へ帯同中。

写真 / 株式会社トイロデザイン

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